
現代ではIT技術の高度化やインターネットの普及は、私たちに計り知れないほどの恩恵を与えてくれています。しかし、それを犯罪に利用していわゆるサイバー攻撃がしかけられることも、多くなってきています。そんな外部からの攻撃から組織を守ることは、今や大きな経営課題となっています。そんなニーズの高まりから、国家試験の新たな試験区分として創設されたのが情報セキュリティマネジメント試験です。今回は、情報セキュリティマネジメント試験に関して解説していきます。
- 1.情報セキュリティ強化の必要性
- ①現在問題となっていること
- ②対策として行われている具体例
- 2.情報セキュリティマネジメント試験の概要
- ①社員の意識、知識の向上
- ②自社内で継続的にセキュリティを守ることができる
- 3.まとめ
1.情報セキュリティ強化の必要性
先程もあげたように、現在の企業や組織は、システムへの依存による利便性の向上と引き換えに、大きな危険性を抱えることになってしまいました。情報システムの停止によって生じる機能不全を原因とする損失、顧客情報の漏洩(ろうえい)による企業や組織のブランドイメージの失墜など、情報セキュリティ上のリスクは、企業や組織に大きな被害や影響をもたらします。また、多くの場合、被害や影響は取引先や顧客などの関係者へも波及します。そのため、今日では情報セキュリティ対策は世界的にも重要な経営課題とされているのです。
では、実際にどのようなトラブルが起こっているのか、具体的に見ていきましょう。
① 現在問題となっていること
今日、企業における情報セキュリティに係る主要な問題の多くは、コンピューターウイルスが原因とされています。社内のパソコンがコンピューターウイルスに感染することで、機密情報や個人情報などが社外に流出したり、社内の基幹システムを停止させられて最悪業務を行うこと自体が困難になる可能性もあります。他にも外部からホームページが改ざんされる、従業員が社外に意図的に情報を漏らすなど様々な問題が起こっています。
② 対策として行われている具体例
ウイルス等の対策の基本として用いられているものは、ウイルス対策ソフトやウイルススキャンの導入です。現にソフトの導入などにより多くの悪質なウイルスがシャットダウンできます。他にも企業や組織では、企業や組織での情報システム部門などからのウイルスに関する連絡に注意を払い、信頼性の低い電子メールが届いた場合は、情報システム部門などにすぐに連絡することも重要になっています。今ではソフトだけでなく人による対策も重要となってきているのです。そんな情報セキュリティマネジメントを担う人材を認定する資格が情報セキュリティマネジメント試験です。
2.情報セキュリティマネジメント試験の概要
情報セキュリティマネジメント試験とはそもそもどのような試験なのでしょうか?
情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験です。情報漏洩リスクの軽減、トラブル発生からの対応力など様々な現場で活躍できるスキルを持つ人材を育成するには非常に役立つ試験となっています。
①社員の知識、意識の向上
セキュリティを守る人材を育成するのはもちろんのこと、社員に試験を受けてもらうことでセキュリティに対する知識やそれに対する意欲を持ってもらうことができます。これによりただ知識を持つだけでなく、お客様の課題に寄り添い、迅速かつ正確に対応できる提案力を育てることもでき、お客様からの信頼性向上にもつながっていきます。
③ 社内で継続的にセキュリティを守ることができる
知識をつけるということは、もちろん自社内でその知識を生かしてもらえるということです。情報セキュリティマネジメント試験で勉強することは情報セキュリティの基礎から応用、そして実際に起きた事例など幅広いものとなっているので、社内で情報セキュリティに関する大きな戦力となってくれるでしょう。情報セキュリティに関する最新の情報が入手できるので、日々進化するウイルスやハッキングなどに対しての最適な考え方を身に着けることもできます。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
昨今の情報化社会においてセキュリティの重要性はもはや計り知れないものとなっています。個人情報や機密情報の取り扱いは、一歩間違えばとんでもない事態になるでしょう。そんな事態にならないよう、日々の対策が必要になってくるのです。
ソフトに頼る対策も当然必要ですが、組織全体で情報セキュリティへの高い意識を持つことも大切なことなのです。